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《賢者の石対策本部:みんなで幸せになろうよ》

谷地田ヴァルゥと、梧香月さん、日和小春さんの合作世界です。 原作で不遇なヤツ、不憫なヤツ、”双子の月が廻る世界”でみんな幸せになろう。

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『夜の瞳 7』       (ヴァル)

ハッピーエンド……なのか? これ。

とりあえず、無敵なのはエルザ……? それともアストさま?

どうでしょう。アルは、蒼牙くんにくらべてちょっとは余裕あったかしら、小春姫? (2回でガマンしたらしい)

パールとオパールの試練の始まり……うふふ。


 ##### ♪ ##### ♪ ##### ♪ ##### ♪ #####






 身体中でキスしているみたい……。指が触れても、肩が触れ合っても、甘い歓びが身体を震わせる。肌が触れ合うってこんなに気持ちのいいことだったのね。すごく安心できる。泣きたくなるほどに。
 ”証”が訪れて身体がしびれた時、頭の中が真っ白になって……自分が死んだのかと思った。でも今は……赤ちゃんに戻って、抱っこされているよう。柔らかく丸まって、言葉を忘れて、温かい胸にしがみつく。

 身体の中心でキスしているみたいだ。軽く触れ合っただけで、また頭が真っ白になる。
「力を抜いて……ゆっくり息をするんだ……身体を開いて……心をゆだねて……」
「ああ……アル……アル……」
 少しずつ、アルが入ってくる。身体の真ん中にくさびを打たれるようだ。息ができない。アルも苦しそうな顔。私を壊さないように、必死で自分を押しとどめている。
「うっ……」
 パールが声を漏らす度に、アルが動きを止める。そうして身体を少し引いて、私の顔をのぞき込む。
「パール……もう、やめようか?」
「やめないで! 私……大丈夫。壊れたりしない。うれしいの……アルとひとつになりたいの」
 パールは必死で訴えた。
「でも……」
「やめないで。私……あああっ」
 自分からアルを引き寄せようとして、より一層深く触れ合ってしまった。……気持ちいい……きれいな海の中を泳いでいるよう……手足がのびて……。
 2人して柔らかい壁を相手に戦っているようだ。自分からは見えない壁。2人が溶け合うのを阻んでいる抵抗。汗まみれになって、お互いに必死でしがみつく。今、その壁を壊して……
「…っ、んああああっ」
「ごめん、痛かった? 大丈夫?」
「痛いけど……やめないで。やっと……」
 アルは痛みが引くのを待って、じっとパールを抱きしめていた。パールの目の奥でチカチカとはねていた火花が落ち着く頃、アルが再び動き出した。今度はひたすらに奥を目指すのではなく、痛みをなだめるように円を描いている。身体の中心でゆっくりと踊るように。呪文をかけるようにやさしくささやく。
「君はもっと飛べる。もっと自由に。もっと開いて……心も……身体も……もっと俺を……受け入れて……」
 もう限界だと思っていたのに、さらに深く入ってくる。
「もっと深く……もっと高く……」
 パールが痛みに慣れるように、アルは行きつ戻りつしていた。そのためらいが、パールを甘く痺れさせる。アルが身体を離そうとする度、不安になって引き寄せる。アルは必ず戻って来た……パールを安心させる熱と重さとともに。

 アルが何かに行き当たった。身体の奥の終点。その秘密の部屋に触れられた途端、また頭が真っ白になるほど全身が震えた。こんな場所があるなんて知らなかった。こんな歓びがあったなんて……。両足ががくん、がくんと揺れる。熱い……!
「ん……ああっ、ごめん、俺……」
 そこで初めてアルが自制を失った。パールにしがみついて、喰らいついた。嵐に巻き込まれたよう。流される! パールも必死でアルにしがみついた。がくがくとゆすぶられて、波に翻弄される。いや……! 引き離さないで……! 私達、今……ひとつになる……。
 

 かなり長い間、そのまま2人で抱き合っていた。気を失っていたのかもしれない。少しずつ感覚が戻ってきて、パールは自分がアルに押しつぶされて、息ができないのに気がついた。私達……生還したの? 嵐を生き延びた……?
「アル……?」
 パールの声に、アルは自分の重心を腕で支えたので、少し息が楽になった。でも、アルはまだ自分の顔をパールの胸から離さない。2人とも汗びっしょりで、身体が濡れていた。でも、これは……汗じゃないわ。私の胸を濡らしているのは……。
「アル……ありがとう」
 両腕をそっと回して、アルの頭を抱く。ほとんど白に近い淡い金色の髪に指をくぐらせる。
「私、すごく幸せだった。ありがとう、アル。今、やっと信じられる。私達、もうひとりじゃない」
 アルの肩が震えている。どれほどの思いを越えて、ここにいてくれたのか。私はその思いを支えきれるだろうか? パールはただ、繰り返し、明るい色の髪をなで続けた。



 パールが目を覚ますと、アルが顔をのぞき込んでいた。シャワーを浴びたらしく、さっぱりしてセッケンの香りがしている。
「もう、朝……?」
「ううん、夜中だよ。お腹すかない? だんご汁を温めておくから、身体を流しておいで」
 シーツを巻いただけで、家の中をうろうろするのも初めてなら、こんな時間に食事をするのも初めてだ。パールは楽しくなってきた。ほかほかのだんご汁を食べた後、アルがくるくるとリンゴを剥いてくれた。
「アル、お料理うまいのね。味付け、すごく上手だわ」
「エクルーに習って、もっとレパートリーを増やすよ。けっこう料理って面白いんだな」
 私も、お城の厨房で料理を習おう。パールは内心、心に決めた。ずっとお城のまかない料理を食べていたから、あまり料理に慣れていないのだ。
「この織物、きれいだわ」
 パールがソファにかかった布をなでた。
「気に入った? 柔らかいだろ? ルパの毛だよ。これはリィンの叔母さんの作品」
「イドラの人ってすごいのねえ。あなたにもらった赤いケープも素敵だったわ」
「ただ織りや染めが丁寧なだけじゃない。織物は泉守りの仕事だから、縁起もいいんだよ? ちなみにこの布のご利益は”子宝”なんだってさ」
 パールの頬が真っ赤になった。そうか、結ばれたってことは……いずれ子供ができるってことなのよね?
「まあ、当分、オパールを育てて予行練習すればいいよ。それとも、すぐ子供が欲しい?」
「え……?」
 まだ顔が火照って、よく考えられない。
「この布の上で抱き合ったら、すぐ子供ができるんだってさ。試してみる?」
「この上で……? え、だって……ソファで?」
「ソファだってテーブルだって、暖炉の前だってどこでも」
「アル、からかってるんでしょう?」
「本気、本気。それぞれの織物に別のご利益がある。どれの上がいい?」
「もう! アルったら!」
 こぶしでアルの胸を叩こうとしたら、逆に押さえ込まれてしまった。
「じゃあ、まずソファからね?」



 翌朝、お城に上がったパールをグレン侯爵夫人とエルザ姫が待ち構えていた。2人はまず、パールの顔をまじまじと見て、それから顔を見合わせて微笑んだ。
「あの……?」
「パール、おめでとう」
「頬がバラ色よ。昨日とは別人みたいね」
 パールはますます真っ赤になった。
「お相手はアルだと思って間違いないのかしら?」
 侯爵夫人が確認する。この面談の目的は何だろう? まさか、どこで抱き合ったか白状させられるのではないだろうな。
「パール。あなた、どのくらいわかっているか知らないけど……アルは危険な人物ですよ? 野放しにしておくのは、カルミノのためになりません」
「そんな……! アルはやさしい人です……! 決して人を傷つけたりしません!」
「強い力を持っているってことわね、それだけで脅威なんです。大砲だって、それ自身に悪意があるわけではない。使う人次第でしょう? アルがカルミノに敵対する勢力の手に落ちて、この城の秘密を話したら? 彼は誰よりもこの国の内情に通じているわ」
「そんな、ひどいわ! アル自身が一番、苦しんでいるのに! もし、アルをこの国から追い出すというおつもりなら……私、私も一緒に出て行きます!」
 パールは涙をぽろぽろこぼしながら、訴えた。どうして、こんなことになるの? やっと幸せになれると思ったのに……!

「パール、落ち着いて。私達、そんなことを言うつもりじゃないわ。むしろ反対よ」
「反対……?」
 侯爵夫人はため息をひとつついて、話し始めた。
「そう、逆です。むしろこの国のために、あなたにはアルをしっかり捕まえておいて欲しいのです。敵に回せば脅威だけど、味方につければ百人力ですからね。実際、これまでにも、アルの助言にはずいぶん助けられていますからね」
 パールは混乱した。捕まえるってどういうこと?
「まさか、アルを牢に閉じ込めるというおつもりじゃ……」
「ある意味、そうかも」
「そんな!」
「この城の牢獄に、じゃないわ。あなたの愛の檻につないでおいて欲しいの」
 エルザ姫の言葉に、パールはまた真っ赤になった。
「英雄をつかまえるのは、いつも清らかな乙女と決まっています。パール、アルを逃がさないように」
 混乱しているうちに、エルザが言葉を継いだ。
「そのために、あなたの私生活をもっと充実させてあげようと思うの。これまで週7日、毎日16時間、働き通しだったでしょう? もちろん、産休や育児休暇なんかはあげるけど、その前にとりあえず週休2日でどうかしら?」
「そんな、姫さま!」
「あなたのためばかりじゃありませんよ? マリア! お入りなさい!」
 女官長の声に、隣室からぽっちゃりした白い顔の、初老の女性が入ってきてお辞儀をした。
「マリアはね、パールがお城に来るまで私のお付だったの。でも娘さんが身体が弱くて、お孫さんの世話のためにずっと故郷に帰っていたのよ?」
 女性は重ねて、深々と頭を下げた。
「お陰様で……もう孫も手を離れて、娘の病気も癒えましたので……また姫さまのお側で働かせていただきたく存じます」
「マリアには、あなたの補佐についてもらいます。パールの休みにはエルザさまのお世話をしてもらう他にも、週5日の間も午前中は姫さま付きをしてもらうよう決めました」
「そんな……」
「その代わり、パールには厨房や、リネンの管理、メイドの采配全般も覚えてもらおうと思います。姫さまのお側だけじゃなく、この城全体に目が届くよう勉強なさい」
「目指せ、スーパー主婦! 目指せ、メイド頭!」
「今のメイド頭のリネットは、もう65ですからね。のんびりしていられませんよ。早く使えるように育ってちょうだい」
 パールは眩暈がした。何もかも、いっぺんに動き出した。私にそんなこと、できるのだろうか?
「アルと2人で、いつまでもこの城を守ってね? パール」
「姫さま……!」
 感動的に抱き合っている2人の少女を尻目に、女官長はぴしりと付け加えた。
「姫さま、側付きがマリアに変わったからと言って、脱走が楽になるなど思わないでくださいましね」
「いたずら坊主の孫3人を育てましたから、木登りでも塀越えでもお手の物でございますよ?」
 さすがに幼いエルザをしつけただけのことはある。マリアは侯爵夫人と一緒になって微笑んだ。その目はきらりと光っている。
「ああー、試練だわー。パール、一緒にがんばりましょうねえ」
「はい、姫さま!」
「アルとあなただけではなくてよ。オパールも週2日、城に連れてくるように。ヨハンソンが訓練してくれることになりましたから。狼というのは、うまく育てれば忠誠心の篤い、最高の番犬になるそうです。役に立ってもらいますよ?」
「ありがとうございます、女官長さま!」

 素直に感動している少女を見ながら、マリアは侯爵夫人に耳打ちした。
「さすがでございますね、アストさま。メイドに少し休みをあげるだけで、守護天使とケルベロスを手に入れるおつもりなんですね?」
「それと、優秀な姫のお目付け役とメイド頭もね。まったく、純真な乙女というのは使えること」

 こうして、パールの花嫁修業が城を上げて開始されたのだった。めでたし、めでたし。










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*COMMENT-コメント-
▽ふああああ//////
どっかあああああん(月まで飛んでいく音)
ひゅるるるるる……ぽて。←悶絶死。

パールが一所懸命にアルに応えて、二人で幸せをかみしめた瞬間…!
それを丁寧に温かく綴ったヴァルさんをとても尊敬します。
パール、かわいい……。アルのことになると一所懸命ねうふふ。

※二回で我慢した件

蒼牙「う……。つ、つぎは無理させないように頑張る…っ」
(まあでも彼はいっぱい時間かけて桜の……ええと秘密のお部屋☆を十分ほぐ略たので、痛みは軽減されたかと…)←
▽小春ちゃあああん、帰って来て~~っ!
よかったあ…もう、いっぱいいっぱいでした。
(白い灰になってしまった……)

パールにいろいろ配慮をいただいていますけど、よかったかしら。目指せ、メイド頭?
ぱーるる、カルミノ城に君臨?
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